相頓寺 寺子屋時報 創刊号
2012年1月3日 23:32  

相頓寺 寺子屋時報       創刊号

平成23年度の大施餓鬼会、並びに棚経において、幾人かの檀信徒の皆様からお寺に対してご意見・ご提案、またご質問等を頂きました。お寺としては、大変有難いものでございました。貴重なご意見・ご提案を頂き深謝いたします。
こういった声の中から幾つかを皆様にご紹介すると共に、質問や意見に対する私どもの回答をお伝えする場として、不定期に「相頓寺寺子屋時報」を発行することに致しました。

 創刊号は3点お知らせ致します 

Q1 お寺へのお参りの仕方について
正門から入る際、何かお作法などはありますか?
   また、駐車場そばの入り口から入っても構いませんか?
A1
   当山にお参りの際は山門をくぐり、本堂内に安置されています阿弥陀さまに合掌し心を込めて一礼して頂くのが本来のお作法です。お帰りの際も阿弥陀さまに同じく合掌をし心込めて一礼して頂くと大変丁寧かと存じます。他のお寺にお参りの際も同様に、ご本尊さまに合掌・一礼して頂ければと存じます。
また、駐車場そばの入り口は、一般のご家庭で言うところの勝手口にあたります。寺族及び他寺院の関係者、各種業者のみ通行可とさせていただきます。
信仰のお姿からも山門をくぐってご参拝頂きますようお願い致します。

Q2 お仏壇の飾り方について
   浄土宗の正しいお仏壇の飾り方はどういったものでしょうか?
A2   
写真が掲載できませんが、悪しからず。・・・
  【大型仏壇】                 【小型仏壇】
 
 浄土宗の飾り方についてご説明致します。適宜写真を参照して頂くとわかりやすいかと存じます。
まず仏様ですが、上段中央にご本尊である阿弥陀如来像を安置します。その両脇には右に観世音菩薩、左に大勢至菩薩を安置します。いずれも写真のように掛け軸の形式でも問題ありません。正式には更にその外側右に善導大師、左に法然上人を安置しますが、観世音菩薩、大勢至菩薩の代わりに安置することも多く、もちろんこれも間違いではありません。
 お位牌については、仏壇の形式によって違いますが、大型のものですと写真のように位牌棚が作られていることが多く、こちらの安置して頂きたいと思います。棚が無い場合は仏様の一段下に、上座である右側から安置してください。
 それ以外の道具については、香炉、花立て、燭台、茶器などを用意します。こちらも仏壇の形式や大きさによって変わってきますが、基本的に下段には外側から花と蝋燭、その中央に香炉を置いて下さい。中段には茶器や仏飯を配します。大型の場合は花と蝋燭は各一対、小型の場合は花と蝋燭が対になるように配するとよいでしょう。お経本や鐘はいずれの場合も、下段もしくは仏壇の外に置きます。
 これが基本的な浄土宗の仏壇の飾り方です。
  
Q3 古いお塔婆の扱いについて
   どこかにまとめて置いておく場所があると良いのでは?
A3
 今回のご提案を受けて、墓所入り口の水屋のそばに早速古くなったお塔婆の回収スペースを設置致しました。例年、お施餓鬼の前などには私どもである程度片づけておりますが、お墓参りのときなど古いお塔婆について気になる方は、そちらに置いて頂ければ私どもで対応致します。

今回は以上です。
さて、いかがだったでしょうか?
皆様の疑問解決の一助となったのでしたら幸いです。今後もこういった形で皆様のご質問に答えて参りたいと存じます。気になることがございましたら、どうぞご遠慮なく当山までご質問下さい。その場で対応させて頂いた上で、私どもが皆様に知って頂きたいと思うご意見・ご質問は、今回のように檀信徒の皆様にお知らせすることがあるかもしれません。もちろん、公にしないでほしいということであれば、その旨お伝えいただければ秘密は厳守致します。
それでは第2号をお楽しみに!

布施:ジャータカ物語より
2010年10月31日 21:58  

「布施の極み」
お釈迦さまのもっとも大切な教えの一つに「布施」があります。まさに字の如く施しをすることですが、このような仏教説話があります。
 昔『うさぎ』、『きつね』、『さる』の三匹は、いつも世の為人の為になるような良いことをしようと話し合っていました。微笑ましく思った帝釈天はこの話を聞いて、「では何か良いことをさせてあげよう」とやつれた老人の姿になって三匹の前に現れました。三匹は老人に元気になってもらおうと喜んでお世話をします。さるは木に登って果物や木の実を採ってきました。きつねは川の魚を採ってきました。しかしうさぎにはこれといった特技がありません。うさぎは老人に「火を焚いて下さい」と焚き火をしてもらい「私はみんなの様な特技はありません。せめて私の身を焼いてその肉を食べてください。」と言って火の中に飛び込みました。
 インドのジャータカ神話の一説です。自分の身を投げ出しても相手の命を救おうとする志は、最も尊い行為とされています。身近な話では、臓器移殖問題がこれにあたるのではないでしょうか。純粋に誰かの生命が救われることを願って自身の臓器を提供する。そこには計り知れない「慈しみ」があります。うさぎと同じ心があります。もちろん臓器提供者も人間ですから、色々な不安があるでしょう。しかし、助けたい一心で自身の命を顧みずその不安を振り払う。その勇気と愛を同じ人間として見習いたいものです。

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盂蘭盆会について
2010年8月10日 19:19  

盂蘭盆会(うらぼんえ)は、日本の各地で、7月ないし8月の13日より16日まで行われる祖霊祭をいいます。略して「盆会」「お盆」などいわれますが、地方によっては「魂(たま)祭り」「精霊(せいれい)祭」などとも言われています。古来より正月とともに「盆正月」とよばれるほど、重要な国民行事として伝承されています。今回はお盆の飾りについてお話しいたしましょう。

お盆の飾りについては、宗派や土地によって様々であり、一言でこうすれば間違いないとは言い難いのが現状です。例えば、お盆の飾りの代表格である鬼灯(ほおずき)などは、盆花の代表ですが、それなりの意味があって飾っていることは案外知られてはいません。

鬼灯は、酸漿(ほおずき)とも書くようですが、お盆の場合には鬼灯と書く方が、その意味に相応しいようです。と言うのは、お盆には迎え火や送り火を行いますが、その場合13日の夕方には墓地に行ってご先祖様をお迎えします。予め持参した盆提灯の灯りで先導しながら、自宅へと導きます。そして、自宅の軒先には高燈籠などを飾っておき、霊が迷わぬよう配慮しておきます。玄関先で苧殻(おがら)を焚けば、その煙の流れと共に間違いなく先祖の霊を迎え入れることができたという訳です。

さて、改めて自宅へ入り、お仏壇に目をやれば、既に竹などを支柱とした真菰(まこも)が張られ、それには小さな赤い提灯がかわいらしく飾られています。よく見れば、赤い提灯に見えていたのは、まさしく鬼灯でした。つまり、鬼灯は盆花であるだけではなく、仏壇を飾る赤い提灯という特別の意味を持って飾られているのです。

鬼灯に代表されるように、お盆の飾りには、ご先祖様を思いやる気持ちが込められています。一つ一つを疎かにせず、ご先祖様に感謝申し上げる思いでお盆を迎えたいものです。

>>相頓寺公式ホームページへ